そして遠野物語第二章-手紙-。
https://www.youtube.com/watch?v=cyfj0AYT484
この歌は本田敏秋前遠野市長との語らいから生まれた作品です。
本田さんには市長になられる前の県職員時代から大変お世話になっていたのですが、ある日、民話説話集「遠野物語」発刊100周年にあたって何か記念になることを考えてもらえないかとご相談をいただいたのです。
それを聞いて僕はすぐさまあることを思いつきました。
僕の歌「遠野物語」ファンの方で、歌の中の主人公のその後がどうなったかと尋ねられる方があまりに多いことをお話しして、主人公のその後を「それからの遠野物語」と題して小説で募集してはと提案させていただいたのです。僕は応募作品をもとに「第二章」を歌にしましょうと約束しました。
2008年春、早速400字詰め原稿用紙10~20枚という規定で市が募集を開始したところ、原稿用紙100枚にも及ぶ作品など、全国から44作品が集まりました。
正直なところ歌の中の主人公のその後、なんて僕は考えもしません。それが想像するだけならまだしも、時間を割いて、物語を綴るなんて……僕は応募原稿に目を通しながら歌に寄せる皆さんの並々なぬ思いに驚かされ、感激し通しでした。
応募小説の中で僕は準優勝になった作品が心に残りました。
この作品はその後、何度かリーディングで皆さんに紹介したり、また映画化の話もあり、脚本を書いた女性監督にもお会いしたのですが、やはり資金不足で途中で止まってしまいました。でも僕はこの作品をいつか何かの形で世に送り出したいと考え続けています。
さてオリジナルの「遠野物語」は男性からの一方的な懺悔の歌の形をとっていますが、「第二章」は女性からのアンサーソングとして書きました。
最後のフレーズ「あなたがしあわせならそれでいいから」は、愛の終わりに際して、どちらにとっても不幸な結末を目にしたり耳にするたびに、胸が痛み、だからこそ、究極の愛として伝えたいメッセージなのです。